膨らむ医療費…無用な治療

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世界に影響力を持つ米国のおよそ50の医学会が提唱する「絶対に受けたくない100の医療」をまとめました。「本当にこの診断、治療、予防に意味があるのかな?」。米国の医師らがそんなモヤモヤを一刀両断。海外の発想から大胆に日本の医療に切り込んでいきます。日本の医療に転機をもたらす意欲作です。


日本の健康保険制度は既に破綻状態です。毎年増大し続けている医療費の高騰、それと同時に無駄な治療の横行が行われており、このままでは折角の国民皆保険制度の終末にまっしぐらです。

この辺りのことについて、「ヨミドクター」では、下記のような記事を載せていました。


ーー引用はここからーー

団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者になる2025年まであと10年。現在、年約40兆円に上る医療費は、高齢化で今後も膨らみ続け、国の試算では10年後に年60兆円を超える見込みだ。

一人一人の税金や保険料などで賄われる医療費。必要な人が必要な時に医療を受けられるよう、「無駄」についても考えるべき時に来ている。


■ 高齢患者

東京都内の病院には次々と患者が運ばれていた。

脳の血管がつまって発作を起こした90歳代男性、肺炎による高熱で意識がもうろうとした80歳代男性。心臓が弱り、息苦しさを訴えて自ら受診した80歳代女性もいた。「入院患者は80~90歳代が中心。60~70歳代の方が来ると若いなと感じます」と病院職員は話す。

大都市圏の病院で今、75歳以上の救急患者が増えている。こうした患者には特徴がある。全身の臓器が弱り、ちょっと体調を崩すだけで命に関わる一方で、うまく治療できれば十分回復することもある。肺炎で入院した80歳代男性は、見違えるほど血色が良くなり、元気に病院を後にした。


■ 75歳以上2200万人に

厚生労働省によると、国民1人当たりの平均年間医療費(2012年度)は64歳以下だと18万円だが、65~74歳が55万円、75歳以上は89万円。高齢患者の増加は医療費の膨張に直結する。

75歳以上の医療費は医療機関で払う原則1割の自己負担額を除くと年約15兆円。その半分を税金などで支払い、4割は現役世代の保険料で賄っている。サラリーマンが給料から月々天引きされる保険料が、75歳以上の医療費に回されている格好だ。

75歳以上の高齢者人口は急激に増えており、団塊の世代が全員75歳以上になる2025年には、今より約600万人多い約2200万人になり、その後はほぼ横ばいになる推計だ。土居丈朗・慶応大教授は「このままでは国の財政が立ちゆかなくなる」と危機感をあらわにする。

高齢の患者を診察する和足医師。「不必要な薬を処方されているケースも多い」と話す


■ 過剰な医療

国は同じ成分で価格が安い「後発薬」の使用を推進、入院治療の効率化を図るなど医療費の伸びを抑えるのに躍起だが、医療現場では過剰な治療をよく見かける。

東京城東病院(東京都江東区)に膝の手術で入院した男性(86)はそれまで複数の医療機関で、気管支炎、高血圧、頻尿の治療薬、胃薬、吐き気止め、睡眠薬など14種類の薬を処方され、毎日飲んでいた。

総合診療医の和足(わたり)孝之(たかし) 医師が診療したところ、呼吸機能に問題はなく、薬をやめても頻尿にならなかった。最終的に血圧や尿酸値を下げる薬など必要な6種類に減らすことができた。

余分な薬は害になることもある。男性は吐き気止めの薬の副作用で、手足に震えが出ており、薬の中止で治まった。「高齢者は複数の診療科にかかり、薬が足されやすい。患者、家族はなぜ薬が必要なのか医師から説明を受けることが大切」と和足さんは話す。

薬以外にも疑問の残る例はある。西日本で在宅診療をする医師は、訪問先の施設で入居者全員に訪問マッサージを受けさせたいので、同意書にサインしてくれと頼まれた。

マッサージは医師が医療上必要と判断した場合に保険適用になる。自己負担分は値引きで無料となっており、他の医師からは同意を得て一部の入居者はすでにマッサージを受けているという。

「用意された書類には痛みを訴えない患者や意識のない患者も含まれていた。安易に健康保険を適用するのはおかしい」と医師は批判する。

誰もが、支えを必要とする立場になり得る。みんなが安心して医療を受けられるよう、コストについても意識することが大事なのではないだろうか。


米ではリスト作成

他の先進国でも高齢化が進み、医療費の高騰が深刻な問題になっている。患者のためにならない効果の低い治療を減らそうとする運動が広がっている。

米国では2012年、内科専門医を認定する米国内科認証機構財団が「賢く選ぼう(Choosing Wisely)」というキャンペーンを開始した。米国の医学系専門学会に、過去の研究成果に基づいて、効果が低い検査や治療を5項目ずつ挙げるよう呼びかけた。

すでに60を超える学会がこれに応えた。「急性の腰痛で、問診などで異常がない場合は画像検査をしない」(米国家庭医療学会)、「進行した認知症の患者には、胃に穴を開ける胃ろうを勧めない」(同老年医学会)などのリストを作った。

キャンペーンは米国だけでなく、独、伊、豪、オランダにも広がり、カナダでは患者団体も参加した運動になっている。日本では総合診療医らで作る「ジェネラリスト教育コンソーシアム」が具体案を作成し、普及に取り組んでいる。

設立発起人の一人で、地域医療機能推進機構の徳田安春顧問は「患者にとって適切な医療を賢く選択するための助けになる」と話す。

ーー引用はここまでーー



上記でも言われている、無駄な医療とは、過剰利用や濃厚診療とも言われており、適切な量や費用を超えている医療のことを指しています。

こうした過剰医療を招く原因には、医療機関への診療報酬を出来高払い制とし、かつ医療費が公的・民間医療保険により補償されるという事情が関係している、と言われています。

このような制度の下では、医師と患者は、医療費や受診を抑えるという動機は働かないのではないかと考えられます。国民皆保険制度の弊害とも見ることができます。



これと似た表現として過剰治療があります。これは不必要な医学的介入(治療)を指しています。過剰治療は、それを行っても症状にほとんど改善は現れないのに治療を行うわけです。

また過剰診断もあります。これは、患者にとって症状がなく無害な状態にも拘らず、病名診断を下すことです。これによって、過剰治療が行われるわけです。

正に、「医は算術」の見本のような状態です。とにかく、患者も医療機関も国民の税金で賄われている保険制度を、色んな手を使って食いつぶしていると言えます。






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